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loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧ Hope to see someday"You're Beautiful" of After that. Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑) 交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^) コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。 『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。 長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^) ご意見ご要望はこちら★すずらん★メッセージを送ってください。BM仕様限定のごくごく一部解除しました。 尚、当ブログ内の著作権は、管理者に帰属するものであり、転載・転用は固くお断り申しあげます。また画像等の著作権・肖像権は、発行元に帰属するものでありこちらも転載・転用は、ご遠慮願います。
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ワン・ツー・スリー!? (5)


駐車場で、リンを地面に降ろしたテギョンは、事務所のビルを見上げ、スタジオのある辺りに視線を向けてハーっと溜息を付いて頭を振っている。
車に乗り込もうと助手席のドアを開けたリンは、姿は見えないが、テギョンの溜息が聞こえて、首を傾げながら車に乗り込み、遅れて乗り込んだテギョンを不思議な顔で見つめていた。
「後ろじゃないのか!?」
テギョンは、助手席に座って、動こうとしないリンに聞いた。
いつもなら、乗り込んですぐ、靴を脱ぎ、後部シートにチョコンと座って、テギョンがシートベルトを締めてくれるのを待っているリンは、今日は、助手席と決め込んだ様で、うんと頷いている。
「そうか」
いつもの様にシートベルトを嵌めて、自身も車に乗り込んだテギョンは、リンの世話も焼くと、黙ったまま、エンジンを掛けた。
動き出した車の中でハンドルを操作する手をジッと見つめていたリンは、ゆっくり視線を動かすとシートに深く座って、少し後ろから見つめるようにテギョンを見上げ、その視線を感じているテギョンは、信号で止まるのと同時にどうしたとリンを覗き込んでいる。
「いつも聞いてる『マルドオプシ』ってね、あれ、いつのなの!?」
リンの質問の意図を考え込む様に再び車を発進させたテギョンは、前を見つめながら、どうして聞きたいと言った。
「うーん、良くわかんないけど、ヒジュンおじいちゃんが聞きたいのってオンマの歌でしょ・・・CDでもいいんじゃないの!?それに何で『マルドオプシ』なの!?アッパの歌って一杯あるのに」
鋭い所を付いてくるのは、子供ならではの勘の良さなのか、果たしてリンだからなのか、量りかねた様な表情をしているテギョンは、人差し指を唇に当てているリンをチラッと見るとそうなんだよなと呟いている。
真っ直ぐ前を見据えて、どうしてかなと呟いたテギョンは、腕を伸ばして、グローブボックスに手を掛けると蓋を開けてリンに出せと顎を軽くあげた。
「なーにー」
前屈みになりながら、そこを覗いたリンは、中に大量に入っているメモリカードを見て不思議な顔をしている。
「これ、なーにー!?」
黒い箱にきっちり収められたそれらは、透明な蓋の上に散りばめられた星と月がデザインされていて、小さな天使と女の子が描かれている。
ふたりの思い出を閉じ込めた物だと容易に想像できるケースだった。
「マイクロカードだ!ミニョの歌が記録されている」
「オンマの!?」
「ああ、お前の聞きたい当時の歌もそこに入ってる」
それは、テギョンが、自宅の地下に保管している歌では無く、リンとこうしてドライブ中に聞いている歌ともまた違う、テギョンとミニョしか知らない音源を集めた物で、結婚するまでの間に世間に発表こそしなかったが、ふたりで録り貯めたテギョン作詞作曲の歌の数々をミニョの声で収めたものだ。
「俺が納得できなくて、発表しなかったものばかりだけどな」
フッと小さく笑ったテギョンは、それを聞かせてやるとリンに告げると、一番端のカードを寄越せと手を差し出した。
「このカードだけは、違うからな」
そう言ったテギョンが、カーオーディオにそれをセットすると暫くして、『言葉も無く』が流れ始めた。
「『しなければよかった 知らない振りをすれば・・・』」
ミニョの押し潰した思いがぶつけられている音源が、狭い車内に流れていって、それに聞き入るテギョンとリンは、黙ったままだ。
「『逃げれば良かった 聞こえない振りをすれば良かった・・・初めから・・・・・・言葉も無く愛を知って 言葉も無く愛を俺に与え・・・』」
ミニョの声が車内に流れる中、チラッとテギョンの顔を確認したリンは、その表情を見てふーんと頷いている。
「なんだ!?」
隣を見る事無く、ハンドルを切りながら突然リンに話しかけたテギョンに俯きかけていたリンの肩がビクッと跳ねた。
「何か言いたいことが、ありそうだな」
「・・・うん、これって別にオンマの為に作った歌じゃないでしょ」
「ああ、違う、出会う前だからな」
テギョン自身の求めた愛を歌ったものだ。
「でも、凄く、泣きたい感じがするよ」
「ああ、泣いてたからな」
作ったテギョン自身も心が張り裂けそうな程の経験から生まれた歌は、ミニョの当時の思いに深く深くリンクしていた歌だ。
「これは、発表される筈だった、本物の音源だ」
「本物!?」
リンは不思議な顔をしながら、テギョンの話を聞いていて、手の中にあるケースを見つめて何かを考えている様だ。
「お前には、教えてない事もあるからな」
テギョンが、エンジンを止めて、シートベルトに手を掛けると笑顔で見つめている。
「・・・うん、じゃぁ、聞かない」
リンもテギョンを見ると笑顔を返した。
「そうか、良い子だな」
頭に置かれたテギョンの手と満面の笑顔にそっくりな笑顔を返しているリンは、エヘッと笑うとでもねと言った。
「いつか、教えてくれるでしょ」
「ああ、いつかな」
そう言ったテギョンは、リンに腕を伸ばすと、運転席からリンを降ろし、トンと地面に降りたリンは、手の中のケースを大事そうに抱えて走り出し、それをフッと笑いながら見たテギョンは、ミニョの音源の入ったメモリカードをオーディオから抜くと手の中に収め大事そうに握って、玄関に向かって行くのだった。



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