2月13日 午後11:40。
★★★★★☆☆☆★★★★★
残りの買い物を済ませ、食事を終えた2人は、ホテルのフロントでキーを受け取っていた。
「リンは、眠ったそうです」
ヘイからの電話を切って、携帯をバッグにしまったミニョが、テギョンに報告するとそうかと頷いたテギョンが、ミニョの腰に手を回してエレベーターへ促した。
すぐにやってきたエレベーターに乗り込み、ミニョが、階数を押そうとしたが、テギョンが、それを止めて最上階を押している。
「オッパ!?」
「いつもの部屋じゃないんだ」
テギョンが、契約をしている部屋だと思っていたミニョは、首を傾げるといつの間にと聞いた。
「さっき、お前が着替えてる間に予約した」
「よく取れましたね」
「運よく空いていただけだ」
そう言って黙ってしまったテギョンの顔を見て、微笑んだミニョは、ありがとうございますと言った。
「礼を言われる覚えはない」
「記念日は、いつでもそこに連れて行ってくるじゃありませんか」
特別な意味のある時だけ泊まる部屋。
ふたりの思い出が一杯詰まった部屋。
「そうだったか!?」
恍けたように答えるテギョンもそれを楽しんでいる事が窺えた。
★★★★★☆☆☆★★★★★
最上階の廊下に降り立ち、一つしかないそのドアにキーを差し込むとミニョに入るように促したテギョンだが、いいえと首を振ったミニョが、どうぞと言ってテギョンを先に促した。
いつもなら、不満そうな顔をして、何らかの憶測とともに嫌味の一つも返ってきそうなテギョンだが、この時は、何故かミニョに素直に従った。
相変わらず広いスイートルームからの夜景は、煌びやかに輝いていて、テーブルにカードキーを放置して窓に近寄っていくテギョンは、美しいなと呟いたが、後ろを付いてきていると思い込んでいるミニョの返事が無いことに目を細めて振り返った。
「ミニョ!?」
呼んでも返事が無い事に怪訝な顔をしたテギョンは、ツカツカと部屋の中を歩き始めた。
「おい!ミニョ!何処だ!?」
リビングスペースを通り抜け、奥のベッドルームに入ったテギョンは、更に奥のバスルームの扉が開いている事を見つけてそちらに歩いて行く。
水の音が聞こえてきて、ミニョがそこに居ることに不思議な顔をしている。
「何をやってるんだ!?」
僅かに開くバスルームのドアから湯気に混じって甘く独特の匂いが漏れていてその匂いに鼻腔を擽られ、目を細めたテギョンは、怪訝な顔をして、バスルームに続くドアを開けその奥の曇ったガラスのドアに手を掛けた。
お湯を張った湯船の淵に座ったミニョが、鼻歌を歌いながら何かを零していて、ジャグジーのスイッチを入れるとすぐに泡がたってきた。
「へへ、これくらいでいいろかなー」
ミニョが、独り言を呟いているが、その口は明らかに呂律が回っていなくて、眉間の皺を深くしていくテギョンは、唇を撫で上げるとミニョと呼んだ。
「はい!えっ、あっ・・・」
派手な音が聞こえて、バシャンと水飛沫がテギョンの顔にまで飛び、慌てて、手を前に翳したテギョンは、その隙間からミニョを見ている。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
湯船から両手を出したミニョは、まるでリンの様にアレーっと言って笑い始めた。
「はれー落っちゃいましたぁ」
淡いアイボリーのワンピースが、徐々に薄紅に染まっていく。
ギョッとしているテギョンだが、笑い続けているミニョの様子が、おかしい事に首を傾げ、スリッパのまま、バスルームへ入ろうとしたが、コンと足元に当たった物にゆっくり床を見下ろした。
そこには、ヘイが、ミニョに渡したバスケットが置かれていて、中に封を切ったばかりであろうワインのコルクが入っている。
「・・・赤・・ワイン!?」
テギョンが、呟くとミニョが、返事をした。
「そうれーす」
湯船の中で目を閉じて、手だけ上げているミニョは、ヘヘっと口元を緩ませていて、今にも首がもげそうな危うい動作をしている。
「飲んだのか!!」
「ちょっとらけれすっ」
頬を膨らませたミニョが、湯船の中からテギョンを見上げている。
「飲んだな・・・」
ツカツカとミニョの前にやってきたテギョンは、湯船に浸かるミニョと目線を同じ高さにするようにしゃがみ込むとジッとその顔を見ている。
「お前の計画ってこれか!?」
黒い瞳がジーッとミニョを見つめ、縁にへばりつくように両手を掛けて黒い瞳を更に大きくしてテギョンを見つめているミニョは、瞳を揺らすと視線を逸らしながらはーいと言った。
「ったく、落ちるのも予定の内か!?」
立ち上がって、背中を向け腕を組んだテギョンは、低い呻る様な声とは裏腹にその口角があがり、何かを思案してニっと笑っていて、ミニョは、上目遣いでテギョンを見上げると、その声に萎縮したように小さくなっていた。
「・・・違います」
「服は、おまけだったのか!?」
テギョンは、背中を向けたまま右を見たり左を見たりしていてその仕種は、口角があがっている事からも緩んだ頬と下がる目尻で、視線を回していることからも楽しんでいる様にしか見えないが、それが見えていないミニョには、叱られている様にしか聞こえないようだ。
「・・・はい」
出るに出られない様で湯船の中で、どんどん小さくなっていく。
「折角の服も台無しだな!」
テギョンが、支払いをした事にハッとしたミニョが、バッと湯船に立ち上がった。
「すっ、すみませんっっ、オパが、買たのに!!!」
呂律が回りきっていない言葉に首を傾げたテギョンは、唇を尖らせてゆっくり振り返った。
「ふん!服なんかどうでも良い」
「えっ、でも・・・」
ずぶぬれで、もじもじ始めたミニョを前にしたテギョンは、ある箇所で視線が止まっていて、僅かに開いた唇から赤い舌が覗くと、当てた指の下で、唇を結び直して、ああと口角が上がっていく。
「そうだな・・・そのままじゃ染みになるな!早く脱げ!」
バサッとジャケットを脱ぎ捨てると、素早く袖をまくって、ミニョに一歩近づいた。
「えっ!?」
テギョンの腕がミニョの腰に回り、ウエストのリボンを解くと背中のジッパーも下ろして、ミニョからワンピースを剥ぎ取ってしまった。
「えっ、わっ、キャーーー」
ミニョの大きな声が、バスルームに響き渡り、両腕を回したミニョは、再び湯船にしゃがみ込んだ。
「オオオオ・・ッパーーーー何するれスカーーー!!」
「何って、染みになるし、どうせ脱ぐんだろ」
ケロッと答えたテギョンは、バスルームの扉に向かって踵を返す。
「染み抜き頼んでくるから、準備して待ってろ!」
そう言い残すと、部屋に戻って行った。
湯船に浸かって水の色と同じくらい赤くなっているミニョは、そのまま、沈み込んでいくと、ぶくぶくと鼻先まで湯につけている。
「準備・・・」
益々、赤くなっていくミニョは、それでも、濡れてしまった下着を全て剥ぎ取り湯船から出した。
「真っ赤ー」
浸かった湯船で更に酔ったのか再び笑い出し、ぶくぶく顔を埋めていると、上から呆れたような溜息が聞こえる。
「そんなに可笑しいか!?」
一糸纏わぬテギョンが、ミニョを見下ろし遠慮なく湯船に入っていくとミニョの腕を掴んで引き寄せている。
「ぁん・・・」
「バレンタインに赤いお湯か」
「バレンタインだから、赤いお湯れす」
うんと頷くミニョは、甘いでしょと言って、くるっと振り返るとテギョンの首に腕を廻した。
「オッパは、チョコレート食べてくれないのれ、考えました!」
「そうか」
クスっと笑ったテギョンは、ほろ酔いで呂律も回らず、目も潤み始めているミニョにもっと近づけと目元を緩めている。
コクンと頷くミニョにいつもの恥じらいは微塵も無くて、かなり酔っている事が窺える。
「初めてのバレンタインの時に言ったぞ!?」
覚えてたのかとテギョンが言うとはいとミニョが返事をした。
テギョンの唇が、ミニョの顔のあちこちに触れ、くすぐったそうに顔を背けるミニョもテギョンの頬にキスを落としている。
「そうれす、リボンを掛けたミニョをくれって言われました」
「バレンタインは明日、ああ、もう今日か」
「はい、オッパと過ごします」
「一番が拗ねるだろ!?」
「リンには、ちゃんとチョコレート渡します」
拗ねたように真顔になったミニョが、少し理性を取り戻したのか、あっと口を開けている。
「一番と特別とどっちが大事だ!?」
「意地悪な質問には答えません」
「そうだな、俺にもお前は特別で、リンはやっぱり一番だからな」
「同じです」
白い肌が赤い湯船に浮かび、リンの事を思い出して恥ずかしそうに俯いているミニョの両手を持ち上げたテギョンは、その手のひらにキスを落としていく。
「次もこれが良いな」
そう言って、ミニョの腰に手を添えると、その体を抱き上げてシャワーを浴びせベッドに運んでいく。
「同じ甘さならこっちの方が良いからな」
クスクス笑って、ふたりきりの夜を堪能したのだった。
★★★★★☆☆☆★★★★★
2月14日 午前11時。
★★★★★☆☆☆★★★★★
「リン、お迎えが来たわよ」
ミナムの家の玄関でテギョンとミニョは、にやつくヘイの前に居心地悪そうに立っていた。
「オンマー!おかえりー」
トタトタ廊下を走ってきたリンは、ミニョに腕を伸ばすとしゃがみこんだミニョが、リンをその腕に抱え込んだ。
「チョコレートは!?」
「お家に帰ったら、あげます」
「アッパは貰ったの!?」
リンは、テギョンに聞いた。
「・・・ああ」
その答えに首を傾げたリンは、ミニョを見つめている。
「一番は、僕じゃないの!?」
「一番は、リンですよ!バレンタインは、今日です!」
「チョコは、貰ってないぞ」
ミニョの言葉を攫うようにテギョンが言うときょとんとしたリンが、ミニョに聞いた。
「ケーキ作る!?」
「そうですね・・・アッパが食べてくれるなら作りましょうか!?」
「アッパ、食べるよね」
リンが、テギョンにジトッとした視線を向け、冷たく聞いている。
「お前が食いたいんだろ!?」
毎年作られるケーキが、リンのお腹に消えている事を知っているテギョンは、片目を閉じて睨む様にリンを見ている。
「うん!だって、オンマのケーキ美味しいもん!」
「誕生日に、クリスマスに、バレンタインまでケーキか!?」
嫌そうに顔を歪めるテギョンは、リンを呆れたように見ている。
「記念日だから甘くて良いんだもーん」
リンの脈絡のない言葉だったが、ギョッとしたテギョンとミニョは、固まった様に動かなくなり、その様子に首を傾げたリンと大きく高笑いをしているヘイがいて、ハッとしたテギョンが、帰るぞと言って、ミニョの手を引いて、三人仲良くバレンタインを祝う為に家に帰って行ったとある日だった。
★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★
いまいち・・・か・・・
うん・・・いつもの事だ・゚*・(゚O゚(☆○=(`◇´*)o
えーっとo(_ _*)o楽しんで頂けたら嬉しいです(笑)
最後まで読んで頂いてありがとうございましたー(^-^)ノ~~
次は、うーんリンで行きたいなーーー ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ
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Favorite music excerpt 再生リストからchoiceコントロールから音量変更可 不可はページ再読込❦一部字幕ON&設定で日本語約可
loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧
Hope to see someday"You're Beautiful" of After that.
Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑)
交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^)
コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。
『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。
長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^)
ご意見ご要望はこちら★すずらん★メッセージを送ってください。BM仕様限定のごくごく一部解除しました。
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