2月13日 夕方。
★★★★★☆☆☆★★★★★
A.Nentertainmentの事務所の裏口に回された車の中、ミニョは、周りの景色と運転席のヘイを見てきょとんとしていた。
「オンニ・・・一緒に買い物行ってくれるんじゃないんですか!?」
「行かないわよ!ばれたんなら、テギョンと一緒に行けば良いわ」
「へっ!?」
「元々あいつの為の買い物なんだからどうせならあいつに好きなもの選んでもらえば良いわ!」
頭を悩ませる必要は無いとヘイはエンジンを止め、丁度、裏口の扉が開いてミナムとテギョンが箱を抱えて出てきた。
「降りなさい」
ヘイに促されるままにミニョは、車を降りたは良いが、テギョンを見て固まってしまっている。
「こんにちは、ファン・テギョン!元気かしら」
「お前も元気そうだな」
相変わらずのふたりの会話にクスッと笑ったミナムを横目にテギョンが、ミニョに視線を移すとヘイもそちらを見た。
「ええ、おっちょこちょいな妹のおかげで元気だわ」
そうかとヘイに答えたテギョンだが、固まった様に動かないミニョに小さく首を傾げている。
「まぁ、良いわ・・・これ、今日の買い物リストよ!一緒に行ってあげて頂戴・・・あなたの為の買い物だから」
ヘイが、バッグから白い紙を出してテギョンに渡すとそれをざっと見たテギョンは、目を細めている。
「俺の!?」
「そうよ、バレンタインに特別なプレゼントだったのにばれちゃったんでしょ・・・だから、貴方が選びなさいよ」
「選ぶ!?」
怪訝な顔をしているテギョンは、首を傾げてまだ紙を見ている。
「そう、それからミニョ!これも持って行きなさい」
ヘイは、くるっと踵を返すと、トランクの蓋を開けて、何かを取り出してきた。
「オンニ・・・これ」
緑の布と花で周りを覆われたバスケットを渡している。
「ミナムの為に飾ったんだけど、家は、また作るから良いわ、それに、バレンタインは明日なのよ! リンの分は、明日帰って作れば良いでしょ」
ヘイが、ウインクしてミニョの腕にそれを押し付けるように渡すとテギョンが、ミニョの肩を抱いた。
「ふん、じゃぁ、何をするのか知らんが、連れてくぞ」
「ええ、ミニョ頑張りなさい!」
一言も発しなかったミナムが、トランクに箱をしまって、手だけを振ってミニョに笑顔を向けヘイの腰に腕を回して頭を小突かれている。
黙ったまま、テギョンのアウディに乗せられるミニョは、変わらず固まったままで、運転席に乗り込んだテギョンが、ドアを閉めながら、口元を緩ませて聞いている。
「何をするんだ!?」
ハッとした様に前を見たミニョは、助手席の足下を見つめて答えた。
「えっと、それは・・・」
どう答えようか思案している。
「これによると、あいつの行きつけの店みたいだな」
ハンドルに手を乗せ紙を見つめているテギョンは、ミニョの方を見ずに聞いている。
「・・・はい・・・」
「服を選ぶつもりだったのか!?」
書かれた店の名前に覚えがあるのかテギョンは、クスッと笑ってミニョを見た。
「・・・はい・・・」
「俺に見せる為!?」
ニヤニヤ笑っているテギョンに何も答えられないミニョは、赤くなって下を向いている。
「・・・・・・」
「まぁ、良い、行くぞ」
テギョンは、それ以上は聞かず、エンジンをかけ、ギアを入れ直したのだった。
★★★★★☆☆☆★★★★★
店の外観は、バレンタイン一色に染められ至るところにバスケットを片手にしたマネキンが、可愛らしいピンクや、赤の衣装を身に纏って飾られていた。
ブティックという雰囲気よりもまるでお菓子売り場のように花や、チョコレートまで置かれていて、ミニョがいなければ決して入りたい雰囲気の店では無いことにテギョンの顔は歪んでいる。
「ここか!?」
「・・・はい」
「あいつの趣味じゃない感じだな・・・」
ヘイの趣味というよりは、可愛らしい小物や服やミニョの趣味ならピッタリだと思ったらしいテギョンは、口角をあげるとミニョの腰に手を回して店の中に入った。
中に入ると店員が小首を傾げて、サングラスを掛けたテギョンに気付き、いらっしゃいませと声を掛けてきた。
「コ・ミニョ様でいらっしゃいますね」
そう言われたミニョは、テギョンと顔を見合わせてからはいと頷いた。
「ユ・ヘイssiよりお話は伺っております!どうぞ」
手を差し出されて、立ち入り禁止の文字のある先に進むよう促された。
VIPルームに通されたふたりは、少し待つように言われ運ばれてきた服の量に驚いている。
「一式揃えて欲しいとのご要望でしたので、こちらでコーディネイトしたものをご用意しましたが、ご不満でしたら他のものをご用意いたします」
店員の笑顔と裏腹に驚いているのはテギョンで傾く首をまるでロボットの様にミニョに向けている。
「お前、何をするつもりだったんだ!?」
「何って・・・オッパとお食事をして・・・それで・・・」
赤くなって口をモゴモゴ動かしているミニョは、それ以上答えられず、変わりに店員が答えた。
「大きなリボンのついたものということでしたので、お嬢様の雰囲気だとこちらが宜しいかと思いますけど」
薄いピンクの生地に淡い大きなリボンのついた膝丈のワンピースを差し出された。
「リボン!?」
「ええ、その様に承りました」
リボンねぇと小さく呟いたテギョンは、緩やかにニィと口角をあげるとそうかと言ってフッと笑い、座っていた椅子から半分くらい身を乗り出し、そっちを見せてくれと真剣に服を選び始めた。
「一式ということは、・・・下着も!?」
コホンと咳払いをしながら聞いたテギョンは、僅かな動揺をしているが、店員は、気にする風でもなく答えた。
「はい、併せるように承っています」
そうですかと答える横で前屈みになっているテギョンを後ろから見つめているミニョは、赤い顔を抑えて目を閉じている。
「ああ、これにします」
テギョンが、淡いアイボリーのワンピースを手にとって、店員に渡した。ウエストには、茶色の大きなリボンがついていて一緒に置かれていた下着は、真っ白なものだ。
「畏(かしこ)まりました!」
「着替えて来い」
ミニョの腕を掴んで立ち上がるように促しニヤニヤ笑っているテギョンは、顎をしゃくった。
自分で立てた計画がばれてしまった事でテギョンにすっかり主導権を奪われてしまったミニョは、不満そうな顔をしているが、黙って店員の後をついて行った。
「わたしがプレゼントですとでも言うつもりだったのか!?」
テギョンは、ミニョと店員が消えたドアを見つめてそう呟いた。
「最初のバレンタインの時だったかな」
顎に触れながら、思い出すように口にして携帯を取り出した。
何処かへ電話を掛け始め、お願いしますとそれを切ると着替えたミニョが、恥ずかしそうにそこに立っていた。
「ふ、やっぱり、ピンクよりそっちで正解だな」
アイボリーの膝丈のワンピースに茶色のリボンを巻いたミニョは、髪も軽くセットしてもらった様で、ホワイトチョコレートの様なふんわりとした雰囲気でそこにもじもじと立っている。
「次は、何だ!?」
テギョンが、カードを出しながらミニョに聞くと食事ですと言ったミニョが、自分で払うと言ったが、それをそっと手で制されて結局テギョンが、ミニョにプレゼントをした形になってしまった。
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Favorite music excerpt 再生リストからchoiceコントロールから音量変更可 不可はページ再読込❦一部字幕ON&設定で日本語約可
loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧
Hope to see someday"You're Beautiful" of After that.
Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑)
交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^)
コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。
『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。
長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^)
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