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loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧ Hope to see someday"You're Beautiful" of After that. Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑) 交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^) コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。 『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。 長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^) ご意見ご要望はこちら★すずらん★メッセージを送ってください。BM仕様限定のごくごく一部解除しました。 尚、当ブログ内の著作権は、管理者に帰属するものであり、転載・転用は固くお断り申しあげます。また画像等の著作権・肖像権は、発行元に帰属するものでありこちらも転載・転用は、ご遠慮願います。
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Instrument practice(プラクティス・インストゥルメント)!? #4


3人でドアを開けて中に入ると、アン社長の明るい声が聞こえてきた。
「いやー、本当にお会いできるとは、とてもHappyですよー」
初老の男性を前に腕を伸ばして、しっかりその手を握って握手をしている。
「事務所のひよっこどもにもご指導をお願いしたいですな!」
恐縮したように話すアン社長は、とても楽しげで嬉しそうだ。
「はは、買い被りすぎだよ」
男性は、威厳のある感じで、アン社長の手を握り返していて、その傍らに、利発そうな男の子が立っていた。
テギョンは、男性の横顔に首を傾げると少しだけ目を細めて考えるような仕種をしながら歩み寄っていく。
どこかで見たことのある男性、でも、まさか。
そんな疑問がテギョンの頭に浮かんで戸惑いながらもその男性に声を掛けた。
「キム・ヒジュンソンベ!?」
戸惑いを露にしてその男性を呼ぶと、アン社長と男性が共に振り返った。
「OHテギョン待ってたぞ」
「ファン・テギョン君だね!初めまして」
差し出された手と顔にテギョンは、間違いないと確信し、ジェルミの言っていたのはコレかと思いながらその手を取った。
「何故、ここに!?」
ゴクッと喉を鳴らしたテギョンは、静かに聞いた。
傍らに立つ子供を見れば今回のバンドの関係者だという事は、一目瞭然なのだが、その子供と、ヒジュンの関係性がわからず、浮かぶ疑問を消化出来ずに僅かに動揺している。
ヒジュンは、その子供の手を取ると自身の前に立たせてテギョンに紹介した。
「わたしの孫だ!」
「孫!?」
「ああ、リン君と一緒にバンドを組ませて貰う事になっている」
テギョンの目が、ますます見開かれた。
「あなたの・・・お孫さんなのですか!?」
「初めまして!キム・ユソンと言います」
ユソンと名乗った子供が、テギョンに笑顔を向けて手を差し出した。
「ファン・テギョンssiにお会いできるなんて光栄です」
リンよりは、ふたつほど年上で、しかし、子供である事に変わりがないユソンが、しっかりした発言でテギョンを驚かせ、嬉しそうな笑顔を向けてにっこり笑うとその後ろにいるリンを見つけて手を振っている。
「ユソンヒョン!こんにちわー」
リンが笑顔で前に出てきて、ヒジュンに向かっておじいちゃんもーと言った。
「ああ、リン君、こんにちわ」
リンはユソンに近づいていくとこっちーと言ってその手を取り、ふたりは、楽器が置いてあるステージに向かって行った。
テギョンは、親しげに話したリンに怪訝な顔をしてその背中を見つめミニョに目配せをすると数歩前に歩み寄ったその背中に腕を回した。
「妻のコ・ミニョです」
ここへ来た目的を思い出す様に背筋を伸ばしている。
「こんにちわ」
「ああ、ミニョssiこんにちわ」
ミニョとヒジュンの軽い挨拶にテギョンが、横を見てまた驚いた顔をした。
「知ってるのか!?」
「ええ、リンとユンギssiの教室で2、3度」
「違う、この人が誰だか知っているのか!?」
「えっ!?ユソン君のお爺さま・・・ですよね」
不思議な顔をしたミニョにヒジュンは笑い、テギョンは、ああ、そうかと思い直して息を吐き出した。
ミニョが芸能生活をしていた間、テギョンの我儘といおうか、業界に染める事を嫌って、なるべく他との接触を避けていた。
一生懸命なミニョを見て、友人が増えるのも嬉しい事ではあったが、無垢なままのミニョでいて欲しいという自身の思いもあって自分との間に隠し事はするなと約束させ、ミニョもそれを守っていた。
そのまま引退をしてしまったミニョは、当然業界の事に疎いのは仕方がない。
テギョンは、ヒジュンについて説明を始めた。
「この人は、伝説だ!」
「伝説!?」
「ああ、業界でこの人を知らない人はいない程の伝説のsingerだ!」
テギョンが、ヒジュンについてそう伝えたが、ミニョはきょとんとしている。
キム・ヒジュンという人は、かつて抑圧された時代を背景に数十年に渡り音楽業界でスーパーヒットを飛ばし続けたヒットメーカーで、愛の歌を歌う事にかけては右に出る物がいないと言われる程の大物歌手だった。
現在は、芸能活動もしているが、滅多に露出はしない為、その偉業だけが業界で浸透していて、テギョンも尊敬している人間の一人だった。
「テギョン君は大袈裟ですね!普通のおじいちゃんですからね」
謙遜なのかお道化た様にヒジュンが笑顔で片目を閉じながらミニョに言った。
「あなたのお孫さんなのですね」
テギョンは、リンと共にバンドを構成する子供の素性を知って、ヒジュンに向き直ると納得した様に顔だけ動かしてステージを見た。
リンが、小さな体にギターを担ぐと、ユソンがその肩紐を直して、自身もギターを抱えている。
「音楽性が、あるのも納得出来ます」
テギョンが感心した様に言った。
「それなら、リン君でしょう!ピアノもギターも、歌も素晴らしい」
リンの事を褒められたテギョンは、いえと静かに否定した。
「あいつは、まだまだです」
「それでも、あの子の耳は素晴らしい!この前わたしの歌を歌ってくれましたが、あの年で、アレだけ歌えたら将来が本当に楽しみです」
ヒジュンの言葉にテギョンが、ギョッとしている。
「歌ったのですか!?」
「ええ、ユンギ君の教室で」
そんなの知らないぞという顔をしたテギョンは、ギロッとミニョを見たが、ミニョは、にこにこ笑って首を傾げている。
テギョンは、何かを堪えるように笑顔を作ってヒジュンを見た。
「そういえば、ユソン君のご両親は!?」
テギョンは、親同士の顔合わせだと聞いていた事を思い出して聞いた。
周りを見回しても親らしき人はいなくて、もう一組もまだ来てはいない様だ。
「お忙しいのですか!?」
「オッパ・・・」
ミニョが、憂えた表情でテギョンの袖を引くとヒジュンが笑って良いですとミニョに手の平を見せた。
「ユソンの親はいません・・・あの子が2歳の時に事故で2人とも亡くなりました。わたしがこんな仕事だったせいなのか、息子は普通の会社員になりましたが、海外出張中に事故に会いましてね・・・母親も同行していて、あの子は、偶々わたしの手元にいたので助かったのです」
ヒジュンは、既に消化されている事だとテギョンに説明した。
「それから、あの子と妻と3人で暮らしています・・・あの子が、A.N.Jellのファンになってギターをやりたいと言ったので、ユンギ君の教室に通わせるようになりましたが、ユンギ君に言わせるとユソンもそれなりだというので、このオーディションの話を貰った時に少し欲を出しました」
ヒジュンが破顔してテギョンを見ている。
「欲!?」
「ええ、ファン・テギョンに会ってみたいという欲です」
「どういうことです!?」
ヒジュン程の人間なら、事務所に連絡すれば簡単に実現できる事で、テギョンは不思議に思いながら、ヒジュンを凝視した。
ミニョは、立ち話が長引きそうだと判断したのか、お茶の置いてあるテーブルに向かっていた。
「子供だけのオーディションでしょ・・・それにA.N.Jellのコピーバンドそれだけが決まっている。君の噂は聞いてましたからね。納得できない者にはgoを出さない!仕事を請けない」
テギョンは、かつての姿勢を指摘されて少しだけ恐縮したように顔を逸らした。
「ははっ、今はそうでもない様ですが・・・てっきり君が審査するのかと思っていたのですよ」
しかし、蓋を開けてみたらそうではなかったとヒジュンは言った。
「わたしは当日、別な仕事があったので、妻がユソンを連れてきたのですが、審査員に君がいなかったのだと後で教えてもらいました・・・それに・・・」
ヒジュンは、リンの方を見た。
「女の子が、既に決まっていると妻から聞いたのですが・・・ユソンが、アレは男の子だったというので、ちょっと気になりましてね。ユソンの教室に何度か同行しました」
そこでリンとミニョに会って、ファン・テギョンに益々興味が沸いたのだとヒジュンは笑った。
「折角、ユソンが受かったのだから、わたしにも面白い経験が出来るのではないかと今日は、こうして来させていただきました」
年下のそれも息子ほど年の違うテギョンにヒジュンはそれは丁寧にユソンの事をお願いしますと頭を下げた。
「いえ、こちらこそ、リンがあんな風なので、驚かされる事ばかりですが、宜しくお願いします」
自身の子供というだけで注目を浴びるのは避けたいと思っていたテギョンだが、もう一人も業界関係者だという事でプロデュースするにしても考えることが増えるなとテギョンは思っている様だ。
「オッパ!もう一方は、少し遅れるのですって」
ミニョが、テギョンとヒジュンに飲み物を持ってやってきた。
紙カップを受け取ったヒジュンは、ミニョにありがとうと言うと、アン社長のいるテーブルの方へ歩いて行く。
「ユンギもまだ来てないな」
テギョンが、ミニョの肩を抱いて、周りを見回すと社長達からは離れ、反対側の壁際に歩いて行く。
普段は、会議室として使用しているホールは、リンがオーディションを行った部屋で壁一面にミニョとA.N.Jellの写真が張り巡らされている場所だ。
その壁際に置かれた椅子にミニョを座らせたテギョンは、自身も隣に座って、ミニョの方を見た。
「お前、俺に隠してる事無いか!?」
「へっ!?」
ミニョが紙カップを口に加えて間抜けな声を出した。
「ヒジュンソンベの孫って、それは、ソンベを知らないお前だから良しとしてやろう!」
テギョンがジーッとミニョを見ている。
「もう一組も会ったことあるのか!?」
ミニョは、カップに口をつけてテギョンを見ていて、テギョンの細める目に小さく首を振った。
「無いですね」
ミニョは、そういえばと上を見ている。
「本当に無いのか!?」
「ええ、リンとユンギssiの所に何度か行きましたけど、もう一人は、お会いしてませんね」
テギョンが更に目を細め怪訝な顔をしている。
「本当か!?」
ミニョの事だから忘れているのではないかとテギョンは思っている様で、ジッと見つめる顔は唇が尖って疑わしそうなので、ミニョの頬が膨れてきた。
「オッパ!わたしの事信じてないでしょう!」
「コ・ミニョだからな」
はははとテギョンは笑って、グイッとカップを煽ると肩に腕を回して引き寄せた。
「リンの奴、俺に隠し事が多すぎると思わないか!?」
「オッパがリンにダメって言い過ぎるからじゃないですか!?」
テギョンの肩に頭を乗せるようにミニョは体を預けた。
「ダメって言うか、あいつミナムみたいなとこがあるからな」
テギョンの腕がミニョの頭に回される。
「オッパですか!?」
「ああ、策士的っていうか・・・」
「悪い事ですか!?」
「驚かされる事が多いな」
「でも、認めてるでしょ」
リンが音楽を仕事にするということは、テギョンの影響が大きくて、同じ様にクラッシクを捨てたテギョンだからこそ思うところもあるようだ。
「音楽性は、あの年にしてはあると思うぞ、だからこそ心配もあるんだがな」
「オッパの経験ですか!?」
「ああ、クラッシックは、全ての原点な所もあるだろ・・・基礎を固めるならそちらの方が良いとは思ってる」
「リンは、まだどっちとは決めてないようですが・・・」
「まぁ、まだあの年だからな・・・決めるのもあいつだけどな・・・」
小さなリンの楽しそうな顔を見ているのは、親としてとても嬉しい事で、一回だけでもと言ったリンの夢を叶えてやれる事は、テギョンにとってもミニョにとってもこの上無い幸せな時間だ。
「それにしても、ユンギも来ないってどういうことだ!?」
もう一組が来ない事にしびれを切らし始めたテギョンは、時計を見ると、チッと舌打ちして立ち上がりミニョを残してアン社長の元へ近づいていく。
テギョンが、ドアの前を通り抜ける丁度その時、扉が開いて、もう一方の親子連れが、ホールに入って来たのだった。