空港できょろきょろ見回しながらリンを抱いたミニョは、入国ゲート前の人の流れを追っていた。
「オンマー!ヘイおばちゃん来たよー」
リンが、ベビーカーを押す女性を指差して教えてくれた。
その姿にミニョは、ゴクッと息を呑んでいる。
ヒールこそ履いていなかったが、ミニスカートに薄手のアウターを身につけサングラスを掛け、とても洗練された女性が、長い髪を掻き揚げながら歩き、ミニョを見つけて手を挙げた。
「ミニョ!迎えに来てくれたの!」
押し歩いてきたベビーカーを前で止めるとサングラスを外してミニョににっこり笑いかける。
「えっと、はい・・・」
ミニョは、ミナムの言っていた通りだとヘイの引いて来たトランクを見ていた。
「何よ!何か言いたいことありそうね」
笑顔で不適に笑うヘイは、うんと顔を傾けている。
「いえ、オッパが・・・」
「ミナム!?」
ヘイが、辺りを見回す。
「そういえば、あいつは!?迎えに来るって言ってたのに・・・」
不満そうに言ったヘイにミニョが慌てて答えた。
「オッパは、お仕事抜けて、今、外で待ってます!!」
「そうなの!?」
「ええ、ここだとちょっと目立つので・・・・」
ミニョはそう言ったが既にヘイそのものが、容姿も元より注目を浴びていて、中には遠巻きにしていたのにコソコソ見に来るものまでいた。
「ああ、そうね!この国でも人気はあるのよね」
あの人達とあまり興味の無い感じで話すヘイは、サングラスを掛け直し、行きましょとミニョを促した。
駐車場まで来たヘイとミニョは、車の外で待っていたミナムに手を挙げて合図を送ると、ミナムがのーんびりと近づいてきた。
「やっぱりな!」
ヘイの姿を上から下まで確認して、その手に引かれるトランクを見たミナムは、ニカッと笑った。
「やっぱりって何よ!」
「お前が俺の忠告通りに空手で来るとは思えなかったってことだよ!」
チラッと手に持ったトランクに視線を落としたヘイは、ああ、そういう事と言った。
「だから、ミニョが変だったのね」
ミナムにトランクを渡して、双子を一人抱き上げたヘイは、早く開けてと言いミニョもリンを下に降ろした。
「リン!ちょっと一人で歩いてね!」
「はーい」
リンも心得たもので、直に下に降りて、ミニョがもう一人を抱き上げると、ミナムが戻ってきてベビーカーを片付け始めた。
ヘイとミニョの腕に収まるスヨンとウォンはよく眠っていた。
「ふたりとも寝ててくれてとっても助かったわ」
ヘイが、リンに車に乗るよう促し、ミニョも隣に乗せて、助手席に座った。
「ところで、抜けてきたって何よ」
ミニョを振り返りはしなかったが、僅かに頭を揺らしたヘイが、聞いた。
「リハーサルです」
「ああ、そっか・・・今夜もコンサートだっけ」
ミナムを見ている。
「良くあいつが許したわね」
「ああ、昨日精一杯頑張ってやったからな」
「わたしの為!?」
「そうだろ!お前、迎えに来なかったら一緒に寝てくれないじゃん!!」
「ふうん、一緒に寝て欲しいんだ」
「当たり前だろ!!」
「ねぇ、ミニョどう思う!?」
ポンポン弾む夫婦の会話に驚きながら黙って聞いていたミニョは、困ったように苦笑いをしながらヘイを見た。
「どうって・・・なんですか!?」
「最近、この子達が歩ける様になってきて、ベッドに入ってくるから、わたし達寝室を別にしたのよ!あんたんとこってどうしてるの!?」
抱き上げたスヨンを抱え直している。
「えっ!?」
「オンマとアッパは、一緒ー」
ミニョがどう返事をしようか迷っていると横からリンが口を出し、ヘイがニヤッとしている。
「リンに聞いた方が早そうね」
ミニョは更に困ったという顔をして、リンを見るがこちらは全く意に返していない為かウォンの顔に触れて遊んでいる。
「リンのベッドは、別でしょ」
「ええ、同じお部屋ですけど」
ミニョは、一息ついて口角をあげ、そう言った。
「ほら、見ろよ!!」
ミナムが、得意気にヘイに言うとヘイの視線が鋭くなった。
「別に、リンは、もう手を離れてるも同然じゃない!家とは違うわ!」
負けてないヘイの逆襲にミナムも黙ってしまう。
「まぁ、いいわ、その話は後でゆっくりしましょ! それより、時間は大丈夫なの!?」
ここにきてようやくヘイが、ミナムの心配を始めたようだ。
「ああ、お前達を降ろしたら直にリハに戻るよ!一応ヒョンにOK取ってるけど・・・ヒョンだしなぁ・・・」
「ファン・テギョンが相手じゃ、貴方も大変よね・・・」
「良くミニョが持ってるなぁって思うぜ全く・・・」
遠慮の無いミナムとヘイの会話は、ミニョとテギョン夫婦の話に発展していて、そこにミニョが居ても関係ないようだ。
「もーオッパもオンニも辞めてください!!」
ミニョが、呆れて少し怒り気味な声を発した。
「あら、聞こえてた」
「聞いてたんだ」
ヘイもミナムも面白がっているとしか思えない返事をすると、ミニョの頬が膨れてきた。
「面白がってますか・・・」
ミナムが、コテージの庭に車を入れながら減速させていく。
「まぁな・・・今回のツアーって色々面白い事がありそうだし!!」
「「面白い事!?」」
「何よそれ」
ヘイがミナムをジッと見て聞いたが笑っているミナムは答える気は無い様で、エンジンを止めて早く降りろと言った。
「とりあえず、部屋に荷物運んで置くから帰ったらゆっくり話そうぜ!」
ヘイの荷物を持ったミナムは、さっさと部屋に置きに行き、ミニョとヘイはそれぞれ、スヨンとウォンを抱いたままリビングスペースのソファに寝かしつけると上掛けを掛けてダイニングスペースに入って行った。
リンもトコトコミニョを追いかけ、ミニョが冷蔵庫から水とフルーツジュースを取り出してそれぞれテーブルに置くと、ヘイもリンも無言でそれを飲み始め、戻って来たミナムが、じゃぁ行ってくると言った事に手だけを挙げたヘイは、疲れたーとテーブルに突っ伏して溜息を付いた。
それに顔を見合わせたミニョとリンはクスクス笑っているのだった。
「オンマー!ヘイおばちゃん来たよー」
リンが、ベビーカーを押す女性を指差して教えてくれた。
その姿にミニョは、ゴクッと息を呑んでいる。
ヒールこそ履いていなかったが、ミニスカートに薄手のアウターを身につけサングラスを掛け、とても洗練された女性が、長い髪を掻き揚げながら歩き、ミニョを見つけて手を挙げた。
「ミニョ!迎えに来てくれたの!」
押し歩いてきたベビーカーを前で止めるとサングラスを外してミニョににっこり笑いかける。
「えっと、はい・・・」
ミニョは、ミナムの言っていた通りだとヘイの引いて来たトランクを見ていた。
「何よ!何か言いたいことありそうね」
笑顔で不適に笑うヘイは、うんと顔を傾けている。
「いえ、オッパが・・・」
「ミナム!?」
ヘイが、辺りを見回す。
「そういえば、あいつは!?迎えに来るって言ってたのに・・・」
不満そうに言ったヘイにミニョが慌てて答えた。
「オッパは、お仕事抜けて、今、外で待ってます!!」
「そうなの!?」
「ええ、ここだとちょっと目立つので・・・・」
ミニョはそう言ったが既にヘイそのものが、容姿も元より注目を浴びていて、中には遠巻きにしていたのにコソコソ見に来るものまでいた。
「ああ、そうね!この国でも人気はあるのよね」
あの人達とあまり興味の無い感じで話すヘイは、サングラスを掛け直し、行きましょとミニョを促した。
駐車場まで来たヘイとミニョは、車の外で待っていたミナムに手を挙げて合図を送ると、ミナムがのーんびりと近づいてきた。
「やっぱりな!」
ヘイの姿を上から下まで確認して、その手に引かれるトランクを見たミナムは、ニカッと笑った。
「やっぱりって何よ!」
「お前が俺の忠告通りに空手で来るとは思えなかったってことだよ!」
チラッと手に持ったトランクに視線を落としたヘイは、ああ、そういう事と言った。
「だから、ミニョが変だったのね」
ミナムにトランクを渡して、双子を一人抱き上げたヘイは、早く開けてと言いミニョもリンを下に降ろした。
「リン!ちょっと一人で歩いてね!」
「はーい」
リンも心得たもので、直に下に降りて、ミニョがもう一人を抱き上げると、ミナムが戻ってきてベビーカーを片付け始めた。
ヘイとミニョの腕に収まるスヨンとウォンはよく眠っていた。
「ふたりとも寝ててくれてとっても助かったわ」
ヘイが、リンに車に乗るよう促し、ミニョも隣に乗せて、助手席に座った。
「ところで、抜けてきたって何よ」
ミニョを振り返りはしなかったが、僅かに頭を揺らしたヘイが、聞いた。
「リハーサルです」
「ああ、そっか・・・今夜もコンサートだっけ」
ミナムを見ている。
「良くあいつが許したわね」
「ああ、昨日精一杯頑張ってやったからな」
「わたしの為!?」
「そうだろ!お前、迎えに来なかったら一緒に寝てくれないじゃん!!」
「ふうん、一緒に寝て欲しいんだ」
「当たり前だろ!!」
「ねぇ、ミニョどう思う!?」
ポンポン弾む夫婦の会話に驚きながら黙って聞いていたミニョは、困ったように苦笑いをしながらヘイを見た。
「どうって・・・なんですか!?」
「最近、この子達が歩ける様になってきて、ベッドに入ってくるから、わたし達寝室を別にしたのよ!あんたんとこってどうしてるの!?」
抱き上げたスヨンを抱え直している。
「えっ!?」
「オンマとアッパは、一緒ー」
ミニョがどう返事をしようか迷っていると横からリンが口を出し、ヘイがニヤッとしている。
「リンに聞いた方が早そうね」
ミニョは更に困ったという顔をして、リンを見るがこちらは全く意に返していない為かウォンの顔に触れて遊んでいる。
「リンのベッドは、別でしょ」
「ええ、同じお部屋ですけど」
ミニョは、一息ついて口角をあげ、そう言った。
「ほら、見ろよ!!」
ミナムが、得意気にヘイに言うとヘイの視線が鋭くなった。
「別に、リンは、もう手を離れてるも同然じゃない!家とは違うわ!」
負けてないヘイの逆襲にミナムも黙ってしまう。
「まぁ、いいわ、その話は後でゆっくりしましょ! それより、時間は大丈夫なの!?」
ここにきてようやくヘイが、ミナムの心配を始めたようだ。
「ああ、お前達を降ろしたら直にリハに戻るよ!一応ヒョンにOK取ってるけど・・・ヒョンだしなぁ・・・」
「ファン・テギョンが相手じゃ、貴方も大変よね・・・」
「良くミニョが持ってるなぁって思うぜ全く・・・」
遠慮の無いミナムとヘイの会話は、ミニョとテギョン夫婦の話に発展していて、そこにミニョが居ても関係ないようだ。
「もーオッパもオンニも辞めてください!!」
ミニョが、呆れて少し怒り気味な声を発した。
「あら、聞こえてた」
「聞いてたんだ」
ヘイもミナムも面白がっているとしか思えない返事をすると、ミニョの頬が膨れてきた。
「面白がってますか・・・」
ミナムが、コテージの庭に車を入れながら減速させていく。
「まぁな・・・今回のツアーって色々面白い事がありそうだし!!」
「「面白い事!?」」
「何よそれ」
ヘイがミナムをジッと見て聞いたが笑っているミナムは答える気は無い様で、エンジンを止めて早く降りろと言った。
「とりあえず、部屋に荷物運んで置くから帰ったらゆっくり話そうぜ!」
ヘイの荷物を持ったミナムは、さっさと部屋に置きに行き、ミニョとヘイはそれぞれ、スヨンとウォンを抱いたままリビングスペースのソファに寝かしつけると上掛けを掛けてダイニングスペースに入って行った。
リンもトコトコミニョを追いかけ、ミニョが冷蔵庫から水とフルーツジュースを取り出してそれぞれテーブルに置くと、ヘイもリンも無言でそれを飲み始め、戻って来たミナムが、じゃぁ行ってくると言った事に手だけを挙げたヘイは、疲れたーとテーブルに突っ伏して溜息を付いた。
それに顔を見合わせたミニョとリンはクスクス笑っているのだった。
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