ふたりだけになったテギョンとミニョは、何気なく目が合うと、テギョンがミニョの横に座っていた。
「思い出すか」
「ええ」
ミニョが、目の前に広がる白い砂浜を見つめながら答えた。
「あそこと似ていますよね」
「ああ」
「だから選んだのですか!?」
大きな瞳を更に大きくして、テギョンを見つめる。
「いや、そんなつもりはなかった」
腰の横に両手を付いたテギョンは、少し逸らした身体で遠くを見つめた。
「偶然ですか!?」
テギョンの視線を追うようにミニョも海を眺めている。
「ああ」
「仕事のついでだし、お前達と最近旅行も行けなかったからな!南の島だから、満点の星は見えるし、それで良いと思ってた」
「白い砂浜もリクエストしたのでしょ! マ・室長が教えてくださいましたよ」
ミニョが、クスクス笑っている。
「何だよ!」
「いえ、オッパも意外とロマンチストなのかなぁと・・・」
「なんだそれ!?」
どういう意味だと言いながらテギョンがミニョの身体を倒し、ベッドに倒れこむミニョは、テギョンを見上げたまま笑い続けていた。
その手には、先程のピンクの塊が握られている。
「お前、それって・・・」
テギョンが、また目を見開くようにそれに手を伸ばした。
「あん、ダメです!!」
しかしミニョが抱き込むように身体を捩っている。
「それって、あの時の水着だろ!」
テギョンがミニョの二の腕に触れながら言った。
「そうですよ! オッパが、買ってくれたやつです!」
顔を動かすミニョをテギョンも見ている。
「・・・着る・・・つもりなのか」
テギョンの何ともいえない複雑な声音にきょとんとしたミニョが、身体を起こすとテギョンの膝に手を置いた。
「ダメなのですか!?」
「いや、ダメではないが・・・」
テギョンの唇が尖っている。
「ここには、シヌもジェルミもいるんだぞ!!」
少しきつい口調でミニョをギロッと睨んだ。
「それが!?」
テギョンの気持ちなど判らないとミニョが聞き返す。
「それがじゃ無いだろ!!お前その水着って・・・」
ごにょごにょと口の中だけで何かを発したテギョンは、頬が赤くなっている。
「えー・・・だって、オンニに見せたら何とも無いって言ってましたよー」
ミニョが透明な袋から水着を取り出すと目の前で拡げて見せた。
「あいつは、何を着ても見てくださいって思っているタイプだろ!!」
テギョンが吐き捨てるように言う。
「オンニの水着は、ワンピースでしたよ!」
「ワンピィースゥ!あいつがか!?」
テギョンが、驚いて大口を開けた。
「ええ、オッパが、それにしろって言ったとか」
拡げていたビキニを綺麗にたたんだミニョは、スーツケースから出した衣類の一番上にそれを置いて重ねられた全てを持ち上げるとベッドの横に設置された籐の籠に入れていく。
「ミナムが!?」
テギョンが、ミニョのスーツケースからごそごそ何かを探しながら聞いた。
「ええ、見せたくないからって!」
ミニョが立ち上がると、テギョンがワンピースを引っ張り出している。
「まるで、俺が見せたいみたいじゃないか!」
取り出したワンピースをベッドに置くと、スーツケースの蓋を閉じて下におろしている。
「見せたいのかと思ってました」
スクッと立ち上がったテギョンが、ワンピースをミニョに渡すとソファの足元に置かれた自身のスーツケースに向かった。
「男だからな!」
テギョンは、そう言って、紙袋を取り出した。
「男だから、自分の女に綺麗でいてほしいとか、自慢したいとか、そういうことを思う事はあるさ! これが、自分の女だ!! ってな」
口角をあげて、ニヤッとする。
「プレゼントするのも自分のステイタスの一つかもしれないけどな」
ほらっと、紙袋をミニョに渡した。
「何ですか!?」
袋を開けたミニョが破顔している。
「わっ!?可愛い!!」
編み上げのサンダルが中から出てきた。
「そのワンピースを持ってくると思ったからな!プレゼントだ!」
「ありがとうございます」
ミニョの白い素足に良く映えそうなサンダルだ。
「そのワンピースも俺が選んだやつだしな!」
「ええ、このふわふわのスカートがとても好きです!」
「それに着替えて来い! リビングで待ってるぞ!」
そう言ったテギョンは、ミニョを残して寝室を出て行った。
★★★★★☆☆☆★★★★★
一方、ミナムーと叫びながら走っていったリンは、白い壁に突き当たる直前で、部屋から出てきたミナムに抱き上げられていた。
「よぉーリン!!来たな!!」
「来たー!!」
両手を上げてにっこり笑っている。
「ヒョン達は!?」
一本の廊下で繋がれたポーチの向こう側を見ている。
「ご飯どっかに行こうって言ってたよー!!」
リンを抱き上げたまま、ミナムが部屋に戻った。
「そうだな!!折角の旅行だから美味いもん食いたいよな!!」
「お仕事でしょう!!」
ミナムの部屋も、テギョン達の部屋と同じ作りで、全てが、鏡の様に真逆に設置されていた。
「今日くらい忘れさせてくれる!?」
やはり、キングサイズのベッドが置いてあり、その上にミナムのスーツケースが拡げられている。
「ヘイおばちゃんは、いつ来るの!?」
リンをベッドに下ろしたミナムは、酒類を出した事で、大分隙間の出来ているそれを、整理し直してていた様だ。
「ああ、明後日には来るよ! 双子も来るから遊んでやってくれ!!」
「わかったー!!」
リンは、そう言いながらミナムの荷物を興味津々で見ている。
「何だ!?」
「ミナム、スカート着るの!?」
よく見ると、ミナムのスーツケースには、女性物と子供用の服が入っている。
「違うよ! 今回ヘイには誰も付いてこないんだ!完全プライベート!あいつはでっかい荷物が二つあるだろ! それで、俺が全部持ってきたの!!」
双子の事をでっかい荷物と言ったミナムは、ウインクしている。
「それよりリン!お前、明日からどうするんだ!?」
ミニョとふたりでリハーサルに来るのかと聞いたミナムは、ううんと首を振ったリンの頭に手を置いた。
「オンマとお城作るんだよー!!」
「城ー!?」
ミナムがテギョンと同じように驚いている。
「スコップ持ってきたから明日はお城作るのー!!」
後で見てねーと言ったリンに判ったと返事をしたミナムは、じゃぁ行くかとスーツケースを閉じリンをまた抱きかかえた。
「さーて、ヒョン達も片付け終わったかなー!腹も減ってきたし!美味いもん食いに行こう!!」
「おー!!」
リンと微笑みあったミナムも部屋を後にして、リビングに向かって行った。
★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★

にほんブログ村
「思い出すか」
「ええ」
ミニョが、目の前に広がる白い砂浜を見つめながら答えた。
「あそこと似ていますよね」
「ああ」
「だから選んだのですか!?」
大きな瞳を更に大きくして、テギョンを見つめる。
「いや、そんなつもりはなかった」
腰の横に両手を付いたテギョンは、少し逸らした身体で遠くを見つめた。
「偶然ですか!?」
テギョンの視線を追うようにミニョも海を眺めている。
「ああ」
「仕事のついでだし、お前達と最近旅行も行けなかったからな!南の島だから、満点の星は見えるし、それで良いと思ってた」
「白い砂浜もリクエストしたのでしょ! マ・室長が教えてくださいましたよ」
ミニョが、クスクス笑っている。
「何だよ!」
「いえ、オッパも意外とロマンチストなのかなぁと・・・」
「なんだそれ!?」
どういう意味だと言いながらテギョンがミニョの身体を倒し、ベッドに倒れこむミニョは、テギョンを見上げたまま笑い続けていた。
その手には、先程のピンクの塊が握られている。
「お前、それって・・・」
テギョンが、また目を見開くようにそれに手を伸ばした。
「あん、ダメです!!」
しかしミニョが抱き込むように身体を捩っている。
「それって、あの時の水着だろ!」
テギョンがミニョの二の腕に触れながら言った。
「そうですよ! オッパが、買ってくれたやつです!」
顔を動かすミニョをテギョンも見ている。
「・・・着る・・・つもりなのか」
テギョンの何ともいえない複雑な声音にきょとんとしたミニョが、身体を起こすとテギョンの膝に手を置いた。
「ダメなのですか!?」
「いや、ダメではないが・・・」
テギョンの唇が尖っている。
「ここには、シヌもジェルミもいるんだぞ!!」
少しきつい口調でミニョをギロッと睨んだ。
「それが!?」
テギョンの気持ちなど判らないとミニョが聞き返す。
「それがじゃ無いだろ!!お前その水着って・・・」
ごにょごにょと口の中だけで何かを発したテギョンは、頬が赤くなっている。
「えー・・・だって、オンニに見せたら何とも無いって言ってましたよー」
ミニョが透明な袋から水着を取り出すと目の前で拡げて見せた。
「あいつは、何を着ても見てくださいって思っているタイプだろ!!」
テギョンが吐き捨てるように言う。
「オンニの水着は、ワンピースでしたよ!」
「ワンピィースゥ!あいつがか!?」
テギョンが、驚いて大口を開けた。
「ええ、オッパが、それにしろって言ったとか」
拡げていたビキニを綺麗にたたんだミニョは、スーツケースから出した衣類の一番上にそれを置いて重ねられた全てを持ち上げるとベッドの横に設置された籐の籠に入れていく。
「ミナムが!?」
テギョンが、ミニョのスーツケースからごそごそ何かを探しながら聞いた。
「ええ、見せたくないからって!」
ミニョが立ち上がると、テギョンがワンピースを引っ張り出している。
「まるで、俺が見せたいみたいじゃないか!」
取り出したワンピースをベッドに置くと、スーツケースの蓋を閉じて下におろしている。
「見せたいのかと思ってました」
スクッと立ち上がったテギョンが、ワンピースをミニョに渡すとソファの足元に置かれた自身のスーツケースに向かった。
「男だからな!」
テギョンは、そう言って、紙袋を取り出した。
「男だから、自分の女に綺麗でいてほしいとか、自慢したいとか、そういうことを思う事はあるさ! これが、自分の女だ!! ってな」
口角をあげて、ニヤッとする。
「プレゼントするのも自分のステイタスの一つかもしれないけどな」
ほらっと、紙袋をミニョに渡した。
「何ですか!?」
袋を開けたミニョが破顔している。
「わっ!?可愛い!!」
編み上げのサンダルが中から出てきた。
「そのワンピースを持ってくると思ったからな!プレゼントだ!」
「ありがとうございます」
ミニョの白い素足に良く映えそうなサンダルだ。
「そのワンピースも俺が選んだやつだしな!」
「ええ、このふわふわのスカートがとても好きです!」
「それに着替えて来い! リビングで待ってるぞ!」
そう言ったテギョンは、ミニョを残して寝室を出て行った。
★★★★★☆☆☆★★★★★
一方、ミナムーと叫びながら走っていったリンは、白い壁に突き当たる直前で、部屋から出てきたミナムに抱き上げられていた。
「よぉーリン!!来たな!!」
「来たー!!」
両手を上げてにっこり笑っている。
「ヒョン達は!?」
一本の廊下で繋がれたポーチの向こう側を見ている。
「ご飯どっかに行こうって言ってたよー!!」
リンを抱き上げたまま、ミナムが部屋に戻った。
「そうだな!!折角の旅行だから美味いもん食いたいよな!!」
「お仕事でしょう!!」
ミナムの部屋も、テギョン達の部屋と同じ作りで、全てが、鏡の様に真逆に設置されていた。
「今日くらい忘れさせてくれる!?」
やはり、キングサイズのベッドが置いてあり、その上にミナムのスーツケースが拡げられている。
「ヘイおばちゃんは、いつ来るの!?」
リンをベッドに下ろしたミナムは、酒類を出した事で、大分隙間の出来ているそれを、整理し直してていた様だ。
「ああ、明後日には来るよ! 双子も来るから遊んでやってくれ!!」
「わかったー!!」
リンは、そう言いながらミナムの荷物を興味津々で見ている。
「何だ!?」
「ミナム、スカート着るの!?」
よく見ると、ミナムのスーツケースには、女性物と子供用の服が入っている。
「違うよ! 今回ヘイには誰も付いてこないんだ!完全プライベート!あいつはでっかい荷物が二つあるだろ! それで、俺が全部持ってきたの!!」
双子の事をでっかい荷物と言ったミナムは、ウインクしている。
「それよりリン!お前、明日からどうするんだ!?」
ミニョとふたりでリハーサルに来るのかと聞いたミナムは、ううんと首を振ったリンの頭に手を置いた。
「オンマとお城作るんだよー!!」
「城ー!?」
ミナムがテギョンと同じように驚いている。
「スコップ持ってきたから明日はお城作るのー!!」
後で見てねーと言ったリンに判ったと返事をしたミナムは、じゃぁ行くかとスーツケースを閉じリンをまた抱きかかえた。
「さーて、ヒョン達も片付け終わったかなー!腹も減ってきたし!美味いもん食いに行こう!!」
「おー!!」
リンと微笑みあったミナムも部屋を後にして、リビングに向かって行った。
★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★
なーんか、最近A.N.Jell総出で食事している話ばかりだな・・・ヾ(@^(∞)^@)ノ
どんだけ、食が足りないんだー
また自戒で、次回に続きます(*゚ー゚)ゞ読んで頂いてありがとうございました(*^o^*)/~
どんだけ、食が足りないんだー
また自戒で、次回に続きます(*゚ー゚)ゞ読んで頂いてありがとうございました(*^o^*)/~
にほんブログ村