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loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧ Hope to see someday"You're Beautiful" of After that. Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑) 交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^) コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。 『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。 長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^) ご意見ご要望はこちら★すずらん★メッセージを送ってください。BM仕様限定のごくごく一部解除しました。 尚、当ブログ内の著作権は、管理者に帰属するものであり、転載・転用は固くお断り申しあげます。また画像等の著作権・肖像権は、発行元に帰属するものでありこちらも転載・転用は、ご遠慮願います。
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スペード9────スタンダード!? #4


「それで、どうしたんだ・・・」
テギョンが、ユンギにビールを勧めながら続きを聞いた。
「うん、話を聞いたよ!ヒジュンも一緒にね・・・」
隣に座るヒジュンをチラッと見て、グラスを煽るユンギは、少し遠くを見るように床を見つめてから、顔を上げた。
「会社でさ、どっちが本当なのかって聞かれたんだ!」
「なんだ!?」
テギョンが、箸を動かしながら訊ねる。
「今の僕の仕事はさ、これを子供達に教えることだけど・・・」
ユンギは、これと言ってソファの脇に置かれたギターを叩いた。
「音楽とは変わらず繋がっているけど、それは、経営者としてだろ・・・結局、家の仕事を継ぐことで、スペードを捨てたようなものだし・・・家からは、逃げられなかったのかって聞かれた・・・」
その言葉にテギョンが僅かに目を引き攣らせ顔を歪めたが、誰も気付かなかった。
「やっぱり、家のせいなの!?」
シヌが、かつてスタジオで噂になっていたことを聞いている。
「うん!彼女のところに両親が行ったんだ!旅費と当面の生活費を出すからって言ったらしい!」
「それを承知したのか・・・」
シヌが俯いたが、ユンギは、それを笑って見ていた。
「強がりだったからね・・・約束を交わして、地球半周だけよって笑ってた。親は子供の心配して当たり前なのだから、成長したら僕が会いに行けば良いって!彼女自身も親だったし、まぁ他にも色々あったんだけど・・・」
それを敢えて口にしないのは、二人の間だけの密事であり、ヒジュンが前に聞いたように、ユンギには一生口にする事のないもっと時を必要とするものなのかも知れない。
「手紙もちゃんと届いてたし・・・・・・連絡が取れないわけじゃなかったんだ」
その言葉にテギョンが、怪訝な顔をした。
「解散する必要はなかったんじゃないのか・・・!?」
「うーん、あの時は、まだまだ僕も子供でさ!デビュー出来る事は嬉しかったけど、彼女がいないんじゃどうにもならないって、本気で思ってたんだ!他に歌える人なんていない!ってね」
その言葉に、テギョンはグラスを傾けながら後ろを気にするようにダイニングに座るミニョとミナムをチラッと見ると自分も他にいないと思ってたなとグラスに浮かぶ気泡を眺めながら、受け入れたときのことを思い出していた。
「だからって家業が嫌だったわけでもないしね!天秤には掛けたけど、音楽に興味を持ったのも、家のおかげだし・・・」
だけどさとユンギは溜息をつくとグラスを両手の中に入れて傾けている。
「まさか歌いたいって言われると思わなかったんだ・・・・・当然、僕達だって長いことバンドは、やってないし・・・」
隣のヒジュンを見たユンギは、ただ、黙って黙々と料理を口に運んでいる肩に手を置いた。
「こいつが承知するとも思えなかったしね!」
肩を叩かれても表情を崩さないヒジュンは、ミニョの作った料理を堪能することに夢中なようで、シヌが、クスッと笑うと美味しいかと聞いた。
「そりゃぁ!もう!なんたって天使の作ったものですから!!」
大きな声でそう答えたヒジュンに、リビングとダイニングと皆の笑い声が重なっている。
テギョンは、その言葉に僅かに顔を顰めたが、口の中だけで俺のだと小さく呟いていた。
「それにしても、約束を果たす為に来たのか!?」
「うん・・・彼女が亡くなる時に言ったらしい・・・・・・」
まだ若かったであろう儚い人生を思いやるようにユンギは、揺れるグラスを見つめた。
「病気のことは・・・知らなかったのか!?」
テギョンもシヌもそれを見つめて、僅かに俯いている。
「うん!?ああ・・・手紙は普通に貰ってて・・・けど・・・聞いたらあの子が代筆してたらしい・・・」
「そうか・・・」
「だけどさ!彼女の遺言って別にスペードの復活だったわけじゃ無いんだよね!」
ユンギが、何かを思い出したようにグラスに残っていたビールを煽った。
「「!?どういうこと (だ)」」
シヌとテギョンが、揃って顔を上げると同時に声を発した。
「うーん!様は、僕ともう一回、歌いたかったって事!?」
上目遣いに顔を顰めるユンギは、首も傾げて、逆に質問するように言ったが、それに応えたのはヒジュンだった。
「もう一度、ユンギのギターで歌いたかったって事です!」
ヒジュンは、箸をテーブルに置くとはぁーと溜息をついた。
「ミナは、母親の思いを持ってやってきたけど、自分も昔、俺たちの傍で聴いていて、ユンギのファンでもあったから・・・」
ヒジュンがユンギの顔を見ると、両手を前で組んで俯いた。
「自分が歌いたかったんだと思います!それが、母親に届けば良いと・・・」
ミナの心を代弁するようにヒジュンが話を始める。
「スペードみたいなバンドは、彼女の中で、他には無かったと言っていました。色んなミュージシャンやバンドも見たけどあんなに楽しそうに愛しそうにバンドをやっていたユンギと母親にその音楽に自分が中に入ってみたいとずっと・・・思っていたんだ、と・・・・・・」
ユンギが目を丸くしてヒジュンを見ている。
初めて聞く話の様だ。
「それは、君も含まれるんじゃないのか!?」
テギョンが、ヒジュンにビールを勧めると頭を下げたヒジュンがグラスを差し出した。
「そうですね・・・俺も・・・実は、ずっとドラムを続けていたのを見破られた時に何か感じるものが、ありましたからね」
ヒジュンが口角をあげて、笑顔を見せる。
「それで、どうしてあの公園だったんだ!?」
「ああ、アレは・・・スペードの最初の頃にライブをやった公園なんだよ!お前達の事務所の近くだろ!?最初にマネジメントをしてくれた人が、A.N.Jellにぶつける様にあそこを選んだらしいんだけど・・・・・・」
ユンギは、料理を口に運ぶとミニョと目が合ったようでダイニングを見てにっこり微笑んで手を振っている。
それが目に入ったらしいテギョンは、相変わらず嫌そうな顔をしていたが、ユンギと目が合うとヘヘっと笑われている。
「でも、まさかあそこまで人が集まるとは思わなかったんだよね・・・別に告知したわけでもなかったし・・・クラブに来てた常連さんには話したけど一回限りだからねって言ったんだけど・・・」
不思議な顔をして首を傾げるユンギの顔をマジマジと見たシヌが、珍しく嫌そうに顔を歪めている。
「お前、それは、俺たちに対する挑戦としか思えないぞ!」
「えっ!?」
「お前、自分のギターテクニックがどれだけあるか判ってるか!?」
ギタリストらしい物言いをするシヌは、首を数回振ると小さく溜息をついた。
「お前のテクニックに惚れてた奴は、かなり多かった筈だぞ!クラブもそういう奴らがたまに顔を出してたって聞いてるし・・・」
驚いて目を白黒させているユンギは、口をポカンと開けている。
「ふっ!お前らしいな!知らなかったのか!?」
テギョンがグラスが空になっていくのを見ながらユンギに聞くと、ダイニングを振り返ってミニョに手を上げた。
「・・・まったく・・・・・・」
「お前に聞きに行ったって言ってた奴もいたぞ!」
シヌが、同じようにギターを弾いている友人がユンギのいるクラブに行った事があると聞いたことを教えてやる。
「ああ、そういえば、たまにテクニックについて聞いてくる人はいたけど・・・」
ユンギが、首を傾げると小さな足音が近づいてきた。
「はい!!アッパ!!」
リンが小さな体でビールを抱えて持ってきた。
「ああ、悪いな」
テギョンは、それを受け取るとリンの頭を撫でて、ダイニングへと背中を押してやる。
「お前のギターを聴きたい奴は結構いるんだよ!」
シヌが、テギョンからビールを受け取ってヒジュンの前に置いていく。
「お前のファンも多かったけど、何より勿体無いと思われたのは、おまえのギターだったろ!?他で遣らないかって言われてたんだろ!?」
その言葉にヒジュンが、下からユンギを見ると、チラッとそれを確認したユンギが、ああ、と小さく答えた。
「それは、言われたけど、俺が遣りたいのはこいつと一緒のバンドだったし、歌を唄ってくれる人もいなくなっちゃたし・・・他は考えられなかった!!」
ユンギがしっかりとした声でそう言うとそうかとシヌも頷いた。
「今回のマネジメントは!?どうしたんだ!?」
それは、HPにも連絡先として乗っていて、尚且つ本人達と連絡は取れないと言われている事務所の存在についてだったが、ユンギとヒジュンが顔を見合わせると共に笑い出した。
「なんだ!?」
「内の会社なんだ!」
ユンギが、テギョンに答える。
「内の会社名で、出してるんだよ!」
「だから、イ・ユンギへもメディアから取材があったんです!」
今度はテギョンとシヌが顔を見合わせた。
「そうなのか!?」
「ええ、聞かれた事はまったく同じような事ですよ!」
「スペードを今後どうするのかとか、あなたがギターでしょとかさ!」
ユンギが嫌そうにぶつぶつ言っている。
「顔を出さなかったって聞いてるが・・・」
「だってさ、さっきも言ったけどあんなに集まると思ってなかったんだ!だから、ミナのこともあるし、慌ててサングラスとかカツラとかつけさせて、衣装も大人っぽいの着せて!大変だったんだよー」
当日のドタバタを思いやるようにユンギはグラスを煽るとああーもうと言っている。
「でも、素晴らしかったって聞いたよ」
シヌが、ユンギを見つめて静かに口にした。
「うん!それは・・・凄かった!僕も鳥肌もんだったし!」
「ミナの声が凄かったよな・・・」
ヒジュンも当日を思い出したようにユンギを見ると確認するように口にした。
「泣いてた奴もいたって!?」
「そう!ステージからも見えたんだけど、涙を溜めて見てくれる子もいて!やってよかったかなって思ったんだ!」
ユンギが嬉しそうににっこり微笑むと、そうかとテギョンが口にして真顔になると、一番聞きたい事を口に乗せた。
「続けるのか!?スペード」
テギョンと目を合わせたユンギは、微笑んだままだ。
「それは・・・」
それは、テギョンとシヌが最も聞きたい事で、ジェルミもミナムも聞きたい事だった。
ダイニングからリビングを見ている面々と、ソファで対峙する面々とユンギの口から次にもたらされる言葉を皆息を飲んで待っていた。